強気な自分の再生
気づけばカナダの企業で正社員として働き始めて3年半がたった。留学に至るまでも、就職するのも、永住権をとるのも大変だったけど、地味にこの3年がずっとじわじわつらかったのかもしれない。
3度目の社会人留学、2019年に仕事をやめてまたカナダに来てあれから7年。2016年のワーホリを合わせると合計8年くらいカナダで時間を過ごしたことになる。
今やっている仕事は観光業界専門の広報PRマーケティングの仕事。女性中心の社員30人くらいの会社でカナダ国内にいくつかオフィスがある。私がカナダに来てやりたかったまさに!な仕事なのに、最近までとにかく毎日毎日しんどい日々を過ごしてきた。
今年になって、働く女性をサポートする団体のメンターシッププログラムに応募して、キャリアアップのためのメンターと出会った。毎週月曜日にズームで面談。私のメンターになったアンはバンクーバーの有名ホテルで働いているカナダ人、天真爛漫な女性。以前日本で働いていたこともあって、日本語も少し話せる。
今回のプログラムに応募した理由はなに?と初回で聞かれて私が答えたのは「仕事を楽しめるようになりたい’」「自分に自信をもてるようになりたい」ということ。
いろいろな思いや状況を話す中で、アンが指摘してくれたのは、私のマインドセットは未だに「26歳の留学生」だったということ。
アジア人は外見でいつも若く見えるから、十代か大学生ぐらいだと思われてそうやって話しかけられることも多い。とにかく子ども扱いされる。何度も何度もそういうことがあると、「どうせ子供だと思われてるんだろうな」と思い始めてしまって、自分でも「どうせ何にもできない若者ですから」という気持ちが知らない間にめばえてしまっていた。カナダでの社会人経験は浅いからこそ、年下の上司や同僚に対して時々敗北感があった。若い子たちに教わりながらゼロからキャリアを建設していくのは辛かった
あと、ビクトリア大学を卒業してから就職するまでがあまりにも過酷で、コロナの中200社受けても2社しか電話面接がかかってこず(そして落ち)、を繰り返すなかで、どれだけ日本での職歴が無力か、カナダでの就労経験がないと、何もできないと同じなのだと、心に刻まされ、あたかも「私の人生は26歳から始まった」と認識してきた。
もうひとつは、留学生として語学学校に通っているときはとにかく自分に厳しく、英語に対してストイックだったからこそ、私は未だに人や自分を英語力で判断しているところがある。自分の英語がたどたどしかったり、すぐに考えが言えないとき、本当にみじめな気持ちになる。
つまり、自分をいつまでも子どもで何もできないと思っている、日本ではちゃんと働けていた事実を抹消してしまっている、そして未だに英語力があーだこーだ言っている、という色々が合わさって、私は自分を26歳の留学生だと思ってきたのだ。
そんなマインドセットでバリキャリのカナダ人とやっていくのはそりゃしんどいし負ける。楽しいことはあっても精神的ストレスが勝ちすぎる。
アンに「あなたは33歳のハーフカナディアンなのよ」と言われてハッとした。日本で今日まで普通に仕事していたら33歳として、もうちょっと自信があってそれなりに堂々をしているのではないか?もう学生じゃないし、なんにもできないどうしょうもない奴じゃない、という自覚なく、いつまでたっても新人のマインドセットでへらへらしていたことに気づいた。
私は自分の努力でここまで来た。永住権もとった。英語が普通に話せて仕事も普通にしている。この3年間で昇進もした。結婚もした。
今まで、「外国人なのにこんな会社で働けてありがたすぎる」、「英語ネイティブじゃないのにこんな仕事しててごめんなさい」、「なんにもわかってないのにここにいてすいません」と思いながら仕事してきた。
でも「あなたは、ほぼハーフカナディアンなのよ。堂々としていいのよ?」と言われて本当に心が軽くなった。
アンは日本の文化を理解しているからこそ、「あなたの中の日本人の厳しさをゆるめて、さらにカナディアンのエネルギーを開放したら、今よりグッと成長するわ」と言ってくださった。
私は33歳のハーフカナディアンなので。というマインドセットで立ち向かうと、仕事で難しい局面に対面しても、「私はそれなりの経験と知識、そしてサポートがあるからきちんと考えて判断できる」と自分を信じられる。今までは自分よりも若いマネージャーの同僚に助けを求めてなんとかしてきたけど、よく考えたら私は十分に対応できる能力があるはずなのだ。
会議の時にすぐに意見が言えなかったり、うまく会話を読み取れなくて苦戦しても、それを辱めのように感じる必要はなくって、あとから改めて自分の意見やつけたしのコメントをメールで送ったり、マネージャーに個人的に話したりすればいいのだ。
メンターにも、第二言語を使っているときはどうしても脳の処理スピードが遅くなったように感じる。でもそれは人よりも倍速で情報を処理しているからで、日本語をつかっているときのように弁が立たないことを、自分の劣りだと思わなくていい。周りのネイティブの同僚たちにきちんとそれを伝えて、「私は英語を第二言語として使っているので、パッと言葉が出てこなかったりするときがあるが、それは私が何も考えていないからではない。私はグローバルでユニークな視点があるから、きちんと思考したうえであとから意見をシェアすることがあると思うのでよろしく。」と堂々とすればいいらしい。
大したことのないことのように思えるけど、このマインドセットの転換は画期的で、わたしがこれまで感じてきた不必要なストレスを一掃することになりそうだ。
強気な自分を取り戻したい!7年間のうちに消失した自尊心を復活させたい。
「絶対大丈夫でしょ」っていう謎の自信だけでやりきる自分どこ行ったー!
自分の価値を自分で認めて自分をadvocateしていくことがこれからのミッション。
それができたら、キャリアでも英語でも、人生のステップとしても、ついに天井を抜けて次のレベルにいけそうな気がする。ずっとわずかなスケールでゆっくり成長しながら地面を這いずり上がってきたけど、今は立ち上がって、これから上にジャンプする気配がする。
カナダで楽しく生きる以上のことをするために岐阜をわざわざ出てきたんだ。それを忘れないようにしよう
いま住んでいるソルトスプリング島は本当に居心地がよくて癒されて、この地で暮らしていることも心の平穏に貢献していると思う。どこにすんでも「ここ最高ー!ずっと住める!」とかいう私だけど、バンクーバー、ビクトリアを経てきてついに、私が心から安心できるまち、岐阜みたいな、地域のひとの顔が思い浮かぶコミュニティにたどり着いた気がする。
0コメント