今、の話
北米の西海岸(太平洋側)には、
バンクーバー、ビクトリア、シアトル、が並ぶ。
西海岸=West coastと言われるこのエリア、
ジョークでWet coastとも言われるほど、
雨がおおい。
夏は素晴らしく美しいのだけれど、
冬はほぼ毎日静かなミストみたいな雨が降る。
サマータイムが終わるハロウィンの頃から、
日照時間が極端に短くなる。
夏は朝5時には太陽があがり、
日没は夜9時半近いのに、
冬は8時ごろにようやく明るくなり、
夕方4時には暗くなる。
春や秋っぽい期間は一応あるけど、
いきなり夏と冬が切り替わるような印象。
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2019年〜2020年にかけての冬期間、
毎日外はグレーで太陽をほとんど浴びず、
みんなが鬱々としがちななか、
わたしはあのキラキラ輝く
たのしい美しい夏を心待ちにしていた。
サングラスを頭にのせて
サンダルで歩くんだ。
ビーチで読書したり、
アイス食べたりするんだ
って思っていたら4月から
始まったロックダウン。
外は確実にサマーになっているのに
家にいなければならない。
ようやくロックダウンがゆるみ、
仕事が再開し夏を楽しめるようになった6月
4〜5月の失った2ヶ月が気持ち的に大きい。
気づけば8月の終わりで、
日照時間が短くなるのを実感し焦る。
もうすぐ夏が終わってしまう!
あと1ヶ月位か。
心ゆくまで楽しむぞ、と
先日早起きして朝日を見に行った。
8月終わりは、
太陽があがる時間もすでに遅くなっており、
6時40分くらい。
無理なく起きて見に行ける。
近所が国境なので
向こう岸に見えるアメリカをバックに、
水平線からあがる朝日をしっかり浴びた。
広くて丸い空と海に包まれて、
地球の自転を感じる。
空を見ると宇宙を感じる。
今ここにこうしていられることに感謝した。
その日の夜、アメリカのワシントンで大規模山火事発生。
「歴史的にも史上最悪」と言われる深刻さ。
国境ちかいビクトリアはもちろんバンクーバーも
煙に覆われる。
青空のはずの空は真っ白に。
太陽もスモッグがかかり輪郭しか見えない。
アメリカの山火事で数週間、曇る、
というのは珍しいことではない。
前回の留学のときもあった。
窓を開けるだけで焦げた匂い。
またPM2.5などの健康被害のある物質が
飛んでいるらしく、
ニュースなどで「外出を控えるように」と
呼びかけられる。
9月12日には、バンクーバーの大気が
北京やデリーを超えて
世界一最悪の汚染、とニュースになる。
なんたること!
残りの夏の期間を最後まで楽しもうと
思っていた矢先、
まさかの煙でつぶれる。
おそらく、わたしの予想では
煙がようやく去る頃、
もう季節は冬で雨が増え、
わたしたちはサングラスをケースに入れ、
レインジャケットを出すんだと思う。
あの日、朝日を見に行っておいて
本当によかった。
今は太陽が見えない。
ほらね、思ったときが吉日って本当なんだよね。
2ヶ月しかなかった夏も、
思いつく限り楽しんだから
正直後悔はない。
いつWetシーズンが始まっても
悔いのないよう、
毎日外に出てたくさん写真を撮り、
遊んだからもういい。
そして実際のところ
暗い冬もそんなに嫌いではない。
とにかく、去年の今頃、
思い描いていた2020年とは
全く違う形相で、
その予想外の現実を、
どう扱うかで、
自分を出していきたいと思う
それにしても、
笑えるくらいの「タイミング」の重要さと、
「時の儚さ」。
実感するたび面白いなあと思う
一瞬一瞬の決断と一念と行動と出会いと思想が、
DNAのらせん構造みたいにつながって、
わたしの人生になっていく。
それをのちのち、
さかのぼってひとつひとつのDNAについて
面白く説明しながら
だれかを笑かしたい
2020年9月
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